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July 4, 2002 Vol. 347 No. 1

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蚊の刺咬に対する防虫剤の有効性の比較
Comparative Efficacy of Insect Repellents against Mosquito Bites

M.S. FRADIN AND J.F. DAY

背景

節足動物媒介疾患がもたらす世界的な脅威は,それに関連した罹患と死亡から,有効な昆虫忌避薬の必要性を喚起している.多数の化学的,植物性,および「代替」防虫剤が消費者に向けて市販されている.われわれは,米国で入手できるどの製品が,蚊の刺咬に対し長時間の信頼性の高い完全防御を提供するか,判定を試みた.

方 法

15 人のボランティアを対象とした研究を実施し,植物性昆虫防虫剤 7 種;N,N-ジエチル-m-ルアミド(現在は N,N-ジエチル-3-メチルベンズアミド(DEET)と呼ばれている)を含む製品 4 種;IR3535(エチルブチルアセチルアミノプロピオン酸(ethylbutylacetylaminopropionate)を含む防虫剤 1 種;防虫薬をしみ込ませたリストバンド 3 種;一般に防虫効果があるといわれているモイスチャーライザー 1 種の,相対的有効性を検討した.これらの製品を,蚊の種類,虫齢,空腹の程度,湿度,温度,明暗サイクルがすべて一定に保たれた実験室の環境下で試験した.

結 果

DEET をベースにした製品から,もっとも長い時間,完全防御が得られた.DEET の濃度が高いほど,より長時間持続する防御が認められた.DEET を 23.8%含む製品は,平均完全防御時間が 301.5 分であった.大豆油ベースの防虫剤は,平均 94.6 分間蚊の刺咬を防御した.IR3535 ベースの防虫剤は平均 22.9 分間防御した.試験した他の植物性防虫剤はすべて,平均防御時間が 20 分未満であった.防虫薬をしみ込ませたリストバンドは防御効果がなかった.

結 論

現在入手可能な非 DEET 系防虫剤では,DEET ベースの防虫剤と同等時間の防御効果は得られず,蚊媒介疾患が大きな脅威である環境では,長時間にわたる防御を当てにはできない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 13 - 8. )