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October 31, 2002 Vol. 347 No. 18

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インドにおける結核対策
Controlling Tuberculosis in India

G.R. KHATRI AND T.R. FRIEDEN

背景

インドでは,毎年 50 万人近くの人々が結核で死亡している.最近まで,適確な診断を受けたのは結核患者の半数以下にすぎず,効果的な治療を受けたのは,そのうちの半数以下であった.

方 法

1993 年に導入され,資源の増加や検査診断の改善,治療の直接的観察,および標準化された抗結核薬処方や報告方法の使用をもたらした新政策の効果を分析した.

結 果

2001 年 9 月までに,20 万人以上の公衆衛生従事者が養成され,4 億 3,600 万人(全人口の 40%以上)がサービスを利用できるようになった.約 340 万人の患者が結核の検査を受け,80 万人近くの患者が治療を受け,その成功率は 80%以上であった.過去 8 年間に治療を受けた全患者のうちの半数以上がここ 12 ヵ月内に治療を受けた.

結 論

インドの結核対策プログラムは,ケアの利用,診断の質,および治療成功の可能性を改善することに成功している.改善されたプログラムが 20 万人の死亡を防ぎ,間接的な節約は 4 億ドル以上であると推定される.これは,遂行費用の 8 倍以上である.ヒト免疫不全ウイルスと多剤耐性結核の二重の脅威はもちろん,国の経済発展レベル,限られたプライマリヘルスケアシステムや,大規模でほとんど規制されていない私的ヘルスケアシステムも考慮すると,プログラムを維持,拡大することは重要な課題となるであろう.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 1420 - 5. )