December 5, 2002 Vol. 347 No. 23
心房細動患者における心拍コントロールと調律コントロールの比較
A Comparison of Rate Control and Rhythm Control in Patients with Atrial Fibrillation
THE ATRIAL FIBRILLATION FOLLOW-UP INVESTIGATION OF RHYTHM MANAGEMENT (AFFIRM) INVESTIGATORS
心房細動の治療法には 2 種類ある:1 つは電気的除細動を行い,抗不整脈薬を投与して洞調律を維持する方法であり,もう 1 つは心房細動を持続させたままで心拍コントロール薬を使用する方法である.双方の治療法で,抗凝固薬の使用が推奨される.
脳卒中や死亡のリスクが高い心房細動患者を対象として,これら 2 種類の治療法について無作為化多施設比較試験を行った.主要エンドポイントは全死亡率とした.
患者計 4,060 例(平均 [±SD] 年齢 69.7±9.0 歳)を試験に組み入れた;70.8%は高血圧の既往があり,38.2%は冠動脈疾患を有していた.心エコー図が記録された 3,311 例のうち,64.7%に左房拡大,26.0%に左室機能低下が認められた.調律コントロール療法に割付けられた患者では 356 例が死亡し,心拍コントロール療法に割付けられた患者では 310 例が死亡した(5 年後の死亡率はそれぞれ 23.8%,21.3%;ハザード比 1.15 [95%信頼区間 0.99~1.34];P=0.08).調律コントロール群では,心拍コントロール群に比べて入院した患者が多く,薬剤の有害作用も多かった.両群とも,発作の大多数はワルファリン投与中止後か,国際標準比が治療レベル以下のときに起った.
調律コントロールによる心房細動の管理には,心拍コントロールよりも優れた生存に関する利点がなく,心拍コントロールには,薬剤の有害作用のリスクがより低いなどの利点が存在する可能性がある.このような高リスク患者群に対しては,抗凝固薬治療を継続すべきである.