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December 5, 2002 Vol. 347 No. 23

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世界的薬剤耐性パターンと米国への移民における潜伏結核感染の管理
Global Drug-Resistance Patterns and the Management of Latent Tuberculosis Infection in Immigrants to the United States

K. KHAN, P. MUENNIG, M. BEHTA, AND J.G. ZIVIN

背景

米国では,外国出生の住民のあいだでみられる結核への懸念がますます大きくなり,新たな移民における潜伏感染の発見と治療の改善が求められてきている.現在の治療指針は,薬剤耐性パターンの世界的な地域差や,それが移民治療に与える影響を考慮に入れていない.地域特異的な薬剤耐性プロファイルに従って潜伏感染を管理する多国籍監視システムを用いることで,米国への移民における結核への懸念を減少させる努力の効果を向上できるであろう.

方 法

発展途上国から米国へ入国した合法的移民すべての仮想コホート集団を用いた決定分析モデルを作成した.地域特異的な薬剤耐性プロファイルは,感染 30,388 症例に関するデータから得た.モデルにより,4 つの方法の有効性と費用効果を検討した:介入なし,あるいは,ツベルクリン皮膚試験後,試験結果陽性者に対してイソニアジド治療,リファンピシン治療,またはリファンピシン+ピラジナミド治療.

結 果

潜伏結核感染を発見し治療する方策は,メキシコ,ハイチ,サハラ以南のアフリカ,南アジア,および東アジアや太平洋の発展途上国からの移民において経費を節減するものであった.この方法は,ほかの発展途上国からの移民において費用効果が高かった.リファンピシン+ピラジナミドは,ベトナム,ハイチおよびフィリピンからの移民における潜伏感染の治療に対する,より好ましい戦略であった.

結 論

発展途上国から米国への新たな移民に対しては,潜伏結核感染を発見し治療する方策は,健康および経済面での大きな利益につながるであろう.イソニアジドに対する耐性が蔓延しているため,リファンピシンを含むレジメンによる治療は,ベトナム,ハイチ,フィリピンからの移民に対して大いに検討されるべきであろう.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 1850 - 9. )