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December 12, 2002 Vol. 347 No. 24

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ワクチン接種にもかかわらず生じた保育所における水痘の集団発生
Outbreak of Varicella at a Day-Care Center Despite Vaccination

K. GALIL AND OTHERS

背景

水痘ワクチンが承認されて以来行われたワクチンの有効性に関する 7 件の研究で,その有効性は,あらゆる重症度の水痘に対しては 71~100%,中等度と重度の水痘に対しては 95~100%であった.われわれは,ニューハンプシャー州の小さな町の保育所に通っている,ワクチン接種者の割合が高い小児集団における水痘の集団発生を調査した.

方 法

標準化した質問票を用いて,両親および医療職から小児の病歴およびワクチン接種歴についての情報を収集した.水痘の伝播は,別の建物では確認されなかったため,ワクチンの有効性とワクチンの失敗に関する危険因子の分析は,水痘が発生していた期間中継続して保育所に入所し 1 週間以上通っており,水痘が発生した建物で保育を受けた小児に限定して行った.

結 果

2000 年 12 月 1 日~2001 年 1 月 11 日に,小児 88 例のうち 25 例(28.4%)に水痘が発症した.初発症例は,3 年前にワクチン接種を受けた健常な小児で起り,水痘歴のない同級生の 50%以上が感染した.ワクチンの有効性は,あらゆる重症度の水痘では,44.0%(95%信頼区間 6.9~66.3%)であり,中等度または重度の水痘では 86.0%(95%信頼区間 38.7~96.8%)であった.発生より 3 年以上前にワクチン接種を受けた小児では,より最近にワクチン接種を受けた小児よりもワクチンが失敗に終る危険性が大きかった(相対リスク 2.6[95%信頼区間 1.3~5.3]).

結 論

今回の発生で,ワクチン接種は,中等度または重度の水痘では良好な予防効果を示したものの,水痘に対する予防効果は乏しかった.ワクチン接種後の期間が長くなれば,ワクチンが失敗に終る危険性が増大した.ワクチン接種を受けた健常人の感染は,ワクチンを接種していない人の水痘と同様に感染性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 1909 - 15. )