The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

December 12, 2002 Vol. 347 No. 24

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

患者の安全:医療過誤に対する臨床医と一般市民の見方
Patient Safety: Views of Practicing Physicians and the Public on Medical Errors

R.J. BLENDON AND OTHERS

背景

医療過誤に関する全米科学アカデミー医学部会の報告を受けて,国民グループは,防ぐことが可能な医療過誤の発生を減少させるための対策を提言してきた.これらの変更案に対する臨床医や一般市民の支持レベルは,わかっていない.

方 法

郵送した質問票に回答した臨床医 831 人と,無作為ダイヤル方式により選ばれ,電話でインタビューを受けた一般市民 1,207 人を対象とした,全国調査を並行して実施した.回答者には,防ぐことが可能な医療過誤に関する問題の原因と解決策について質問し,また,臨床症例に基づいて過誤の結果がどうあるべきかを質問した.

結 果

多くの医師(35%)と一般市民(42%)は,自分自身あるいは家族の治療に関する医療過誤を報告したが,どちらの群も医療過誤を今日の医療におけるもっとも重要な問題の 1 つとはみていなかった.両群の大多数は,防ぐことが可能な過誤による院内死亡数が医学部会による報告数よりも少ないと考えていた.医師と一般市民は,多くの過誤の原因や過誤を減らすための効果的方法に関して意見を異にしていた.どちらの群も,患者を規模の大きなセンターへ転院させることが非常に効果的な方法であるとは考えていなかった.一般市民や多くの医師は,重大な過誤責任があると考えられる個々の医療関係者に対して処罰を行うことを支持していた.

結 論

かなりの割合の一般市民や臨床医が,個人的に医療過誤を経験したことがあると報告しているにもかかわらず,両群ともに,多くの全国的な組織が表明しているような切迫感をもっていない.計画を進めるために,国民グループは,過誤を減少させるための現在の提案が非常に効果的であることを,とくに医師に納得させる必要がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 1933 - 40. )