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August 22, 2002 Vol. 347 No. 8

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自殺幇助を依頼したホスピス患者を扱ったオレゴン州の看護師とソーシャル・ワーカーの体験
Experiences of Oregon Nurses and Social Workers with Hospice Patients Who Requested Assistance with Suicide

L. GANZINI AND OTHERS

背景

1997 年のオレゴン州尊厳死法で医師幇助の自殺が合法化されている.いままでのところ,医師の幇助を依頼した患者についての情報は,医師に対する調査に由来している.幇助自殺により死亡したオレゴン州住民 91 人のうちの 78%はホスピスプログラムに登録されていたが,これら患者を扱ったホスピスの担当者の体験についての情報はほとんどない.

方 法

2001 年に,オレゴン州のすべてのホスピスの看護師とソーシャル・ワーカーに質問票を郵送した.

結 果

調査対象として適格なホスピスの看護師とソーシャル・ワーカー 545 人のうち,看護師の 71%とソーシャル・ワーカーの 78%を含む 397 人(73%)から調査票を回収した.1997 年 11 月以降,回答者のうちの 179 人(45%)が,自殺幇助を依頼した患者をケアしたことがあった.ホスピスの看護師は,致死薬の処方を受けた患者 82 人について報告した.看護師の 98%が同僚と依頼について話し合い,依頼の 77%については患者ケアに関するホスピス合同会議で発表された.依頼の非常に重要な理由は,死の環境を管理することであった.重要度がもっとも低い理由には,抑うつ,社会的支援の欠如,家族への金銭的負担のもとになるという心配があった.患者は他の人の重荷になることを心配していたが,患者の家族介護者の負担が,他のホスピス患者の家族介護者より大きかったと評価したのは,ホスピス看護師の 11%にすぎなかった.

結 論

オレゴン州で幇助自殺が法制化されて以来,多くのホスピスの看護師やソーシャル・ワーカーが自殺幇助を依頼した患者に対しケアを提供してきた.彼らは,管理への願望がこの依頼のもっとも重要な理由であると評価した.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 582 - 8. )