The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

May 8, 2003 Vol. 348 No. 19

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

エストロゲン+プロゲスチンの健康関連 QOL に対する効果
Effects of Estrogen plus Progestin on Health-Related Quality of Life

J. Hays and Others

背景

Women's Health Initiative(WHI)および他の臨床試験で,併用ホルモン療法には有意な健康リスクが伴うことが示されている.健康関連 QOL に対するホルモン療法の効果についてはあまり明らかにされていない.

方 法

WHI は,ベースライン時に子宮を切除していない 50~79 歳(平均 63 歳)の閉経後女性 16,608 例を,エストロゲン+プロゲスチン(結合型ウマエストロゲン 0.625 mg+酢酸メドロキシプロゲステロン 2.5 mg,8,506 例)またはプラセボ(8,102 例)の投与に無作為に割付けた.QOL 判定項目のデータを,ベースライン時と 1 年後に全女性から収集し,3 年後に 1,511 例から成るサブグループから収集した.

結 果

エストロゲン+プロゲスチンへの無作為割付けは,全般的健康状態,活力,精神衛生,抑うつ症状,性的満足感に対して有意な効果がなかった.1 年後,エストロゲン+プロゲスチンの使用に関連して,睡眠障害,身体機能,および肉体的疼痛に,統計学的に有意ではあるがわずかで,臨床的には意義のない効果が認められた(平均的な効果は,睡眠障害について 20 点満点で 0.4 点,身体機能について 100 点満点で 0.8 点,疼痛については 100 点満点で 1.9 点).3 年後では,すべての QOL 転帰について有意な効果は認められなかった.ベースライン時に中等度から重度の血管運動神経症状のあった 50~54 歳の女性では,エストロゲン+プロゲスチンにより血管運動神経症状が改善され,睡眠障害の点でわずかな有益性が認められたが,他の QOL 転帰では有益性は認められなかった.

結 論

閉経後女性を対象とした今回の試験では,エストロゲン+プロゲスチンは,健康関連 QOL に対して臨床的に意義のある効果はなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 348 : 1839 - 54. )