退役軍人局保健医療制度の改革がケアの質に与えた影響
Effect of the Transformation of the Veterans Affairs Health Care System on the Quality of Care
A.K. Jha, J.B. Perlin, K.W. Kizer, and R.A. Dudley
1990 年代中頃,退役軍人局(VA)保健医療制度は,とりわけケアの質を向上させるため,制度全体にわたる再編成を開始した.われわれは,ヘルスケアの質におけるその後の変化を評価し,その質をメディケアの出来高払いプログラムの質と比較することを試みた.
VA の現行の実績評価プログラムから得たデータを用いて,予防的ケア,急性期および慢性期ケアの質を評価した.1994 年(再編成前)から 2000 年までのケアの質の指標について変化を評価し,同じ指標を用いて,そのケアの質とメディケアの出来高払い制度で得られたケアの質とを比較した.
2000 年度において,VA の制度全体で適切なケアを受けた患者の割合はケアの質の指標 17 項目中 9 項目で 90%以上となり,17 項目中 13 項目では 70%を超えていた.すべての年に集められた 9 項目の指標すべてについて,1994~95 年から 2000 年のあいだに統計上有意な質の向上がみられた.メディケアの出来高払いプログラムと比較して,VA では,1997~99 年の期間に 11 項目の同様な質の指標すべてについて,有意に優れた実績が得られた.2000 年では,VA は指標 13 項目中 12 項目でメディケアよりも優れていた.
VA 保健医療制度におけるケアの質は,制度全体にわたって再編成が実施されたあと大幅に向上し,1997~2000 年の期間ではメディケアの出来高払いプログラムにおけるケアの質よりも有意に優れていた.これらのデータは,1990 年代中頃に VA によって導入された質向上へのイニシアチブが効果的であったことを示唆している.