The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

June 12, 2003 Vol. 348 No. 24

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

17α-カプロン酸ヒドロキシプロゲステロンによる早産再発の予防
Prevention of Recurrent Preterm Delivery by 17 Alpha-Hydroxyprogesterone Caproate

P.J. Meis and Others

背景

自然に発生する早産を経験した女性は,その後の妊娠で早産のリスクが非常に高くなる.いくつかの小規模試験の結果は,17α-カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン(17P)が早産のリスクを減少させる可能性を示唆している.

方 法

自然早産の既往がある妊娠女性を対象として,二重盲検プラセボ対照試験を行った.19ヵ所の臨床施設で妊娠 16~20 週の女性を登録し,中央データセンターにより,250 mg の 17P を週 1 回注射するか,不活性オイルから成るプラセボを週 1 回注射するかのいずれかに2 対 1 の割合で無作為に割付けた;投与は分娩ないし妊娠 36 週まで継続した.主要転帰は妊娠 37 週以前の早産であった.intention-to-treat の原則に基づいて解析を行った.

結 果

プロゲステロン群 310 例とプラセボ群 153 例のベースライン時の特性は類似していた.妊娠 37 週未満での分娩のリスク(発生率,プロゲステロン群 36.3% 対 プラセボ群 54.9%;相対リスク 0.66[95%信頼区間 0.54~0.81]),妊娠 35 週未満の分娩のリスク(発生率,20.6% 対 30.7%;相対リスク 0.67[95%信頼区間 0.48~0.93]),妊娠 32 週未満での分娩のリスク(11.4% 対 19.6%;相対リスク 0.58[95%信頼区間 0.37~0.91])は,17P で治療すると有意に減少した.17P による治療を受けた女性から産まれた乳児は,壊死性腸炎,脳室内出血の発生率および酸素補給の必要性が有意に低かった.

結 論

17P を週 1 回注射することにより,早産のリスクがとくに高い女性で早産が再発する率が大幅に減少し,出産児で数種類の合併症の可能性が減少した.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 348 : 2379 - 85. )