慢性閉塞性肺疾患に対する救急治療後の外来経口プレドニゾン投与
Outpatient Oral Prednisone after Emergency Treatment of Chronic Obstructive Pulmonary Disease
S.D. Aaron and Others
この無作為二重盲検プラセボ対照試験では,慢性閉塞性肺疾患(COPD)外来患者の増悪後の再発リスクを減少させるうえでの,プレドニゾンの有効性を検討した.
COPD の増悪で救急診療部を受診し,帰宅した患者 147 例を登録した.これらの患者を,経口プレドニゾン 40 mg または外観が同一のプラセボを 1 日 1 回,10 日間投与する治療に無作為に割付けた.患者はすべて,経口抗菌薬と吸入気管支拡張薬の投与を 10 日間受けた.主要エンドポイントは,無作為化から 30 日以内の再発(呼吸困難の悪化による予定外の受診や救急診療部への再受診と定義)であった.
30 日の時点での全体の再発率は,プレドニゾン群でプラセボ群よりも低く(27% 対 43%,P=0.05),再発までの時間は,プレドニゾン服薬群のほうが長かった(P=0.04).10 日間の治療後,プレドニゾン群の患者は,プラセボ群の患者よりも 1 秒量の改善が大きかった(ベースラインからの平均 [±SD] 増加率,34±42% 対 15±31%;P=0.007).プレドニゾン群の患者では,呼吸困難の指標の推移(P=0.04),および慢性呼吸器疾患指標に関する質問票(Chronic Respiratory Disease Index Questionnaire)の呼吸困難に関する項目(P=0.02)で評価した場合,呼吸困難に有意な改善もみられたが,健康関連 QOL には有意な改善はみられなかった(P=0.14).
COPD の増悪で救急診療部を受診し,帰宅した患者を治療するうえで,経口プレドニゾンを用いた外来患者の治療は,プラセボよりもわずかに有益である.