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January 30, 2003 Vol. 348 No. 5

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2 型糖尿病患者における多因子介入と心血管疾患
Multifactorial Intervention and Cardiovascular Disease in Patients with Type 2 Diabetes

P. Gaede and Others

背景

心血管疾患の発症は 2 型糖尿病患者にとって大きな負担である.Steno-2 研究において,われわれは,心血管疾患の改善可能な危険因子に対する目標志向型の強化多因子介入と従来の治療法の効果を,微量アルブミン尿を伴う 2 型糖尿病患者において比較した.

方 法

今回の非盲検並行群間比較試験の主要エンドポイントは,心血管疾患による死亡,非致死的心筋梗塞,非致死的脳卒中,血行再建,下肢切断の総合評価であった.患者 80 例を国内ガイドラインに沿った従来治療に,80 例を強化治療に無作為に割付けた.強化治療は,生活習慣改善療法と,高血糖,高血圧,脂質代謝異常,微量アルブミン尿に対する薬物治療を段階的に行い,さらにアスピリンによる心血管疾患の二次予防を行った.

結 果

患者の平均年齢は 55.1 歳,平均追跡期間は 7.8 年であった.グリコヘモグロビン値,収縮期・拡張期血圧,一晩絶食後の血清中のコレステロールとトリグリセリドの濃度,尿中アルブミン排泄率の低下量は,すべて強化治療群のほうが従来治療群よりも有意に大きかった.また強化治療群の患者は,心血管疾患(ハザード比 0.47;95%信頼区間 0.24~0.73),腎症(ハザード比 0.39;95%信頼区間 0.17~0.87),網膜症(ハザード比 0.42;95%信頼区間 0.21~0.86),自律神経障害(ハザード比 0.37;95%信頼区間 0.18~0.79)のリスクが有意に低かった.

結 論

微量アルブミン尿を伴う 2 型糖尿病患者において,複数の危険因子に向けた,目標志向型の強化介入を長期にわたって行うと,心血管イベントや微小血管イベントのリスクが約 50%軽減する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 348 : 383 - 93. )