September 25, 2003 Vol. 349 No. 13
骨粗鬆症の男性における副甲状腺ホルモン,アレンドロネート,またはその併用療法の効果
The Effects of Parathyroid Hormone, Alendronate, or Both in Men with Osteoporosis
J.S. Finkelstein and Others
副甲状腺ホルモンは,骨形成と骨吸収の両方を増加させるため,副甲状腺ホルモンと骨吸収抑制薬を併用すると,骨塩密度に対する作用が増強する可能性がある.
年齢 46~85 歳で骨密度が低い男性 83 例を,アレンドロネート(1 日 10 mg;28 例),副甲状腺ホルモン(1 日 40 μg の皮下投与;27 例),または併用(28 例)のいずれかに無作為に割付けた.アレンドロネートは 30 ヵ月間投与し,副甲状腺ホルモン療法は 6 ヵ月目に開始した.腰椎,大腿骨近位部,橈骨幹,および全身の骨塩密度は,二重エネルギー X 線吸収法で 6 ヵ月ごとに測定した.腰椎の海綿骨の骨塩密度は,定量的コンピュータ断層撮影でベースライン時と 30 ヵ月目に測定した.血清中のアルカリホスファターゼ濃度は 6 ヵ月ごとに測定した.主要エンドポイントは,脊椎正面の骨塩密度の変化率とした.
腰椎の骨塩密度は,副甲状腺ホルモンの単独投与を受けた男性で他群の男性よりも有意に増加した(両者の比較に対する P<0.001).大腿骨頸部の骨塩密度は,副甲状腺ホルモン群でアレンドロネート群(P<0.001)または併用療法群(P=0.01)よりも有意に増加した.腰椎の骨塩密度は,併用療法群でアレンドロネート群よりも有意に増加した(P<0.001).12 ヵ月後,血清中のアルカリホスファターゼ濃度の変化は,副甲状腺ホルモン群でアレンドロネート群や併用療法群よりも有意に大きかった(両者の比較に対する P<0.001).
アレンドロネートは,男性において,腰椎と大腿骨頸部の骨塩密度を増加させる副甲状腺ホルモンの力を弱める.この作用は,アレンドロネートによって,骨形成における副甲状腺ホルモン誘発性の刺激が減弱されることに起因している可能性がある.