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November 6, 2003 Vol. 349 No. 19

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早期乳癌に対しタモキシフェン療法を 5 年間受けた閉経後女性におけるレトロゾールの無作為試験
A Randomized Trial of Letrozole in Postmenopausal Women after Five Years of Tamoxifen Therapy for Early-Stage Breast Cancer

P.E. Goss and Others

背景

ホルモン依存性乳癌において,5 年間の術後タモキシフェン療法――5 年以上はタモキシフェン療法を行わない――により,無病生存および全生存が延長する.アロマターゼ阻害薬レトロゾールは,エストロゲンの産生を抑制し,タモキシフェン療法中止後の転帰を改善する可能性がある.

方 法

二重盲検プラセボ対照試験を行い,5 年間のタモキシフェン療法を完了した乳癌の閉経後女性において,5 年間のレトロゾール療法の有効性を検討した.主要エンドポイントは無病生存率とした.

結 果

計 5,187 例の女性を組み入れた(追跡期間の中央値 2.4 年).初回中間解析では,乳癌の局所あるいは転移再発,または対側乳房に新たな原発性癌 207 例が確認され(レトロゾール群で 75 例,プラセボ群で 132 例),両群の推定 4 年無病生存率は,それぞれ 93%と 87%であった(無病生存率の比較に対する P≦0.001).計 42 例のプラセボ群女性と 31 例のレトロゾール群女性が死亡した(全生存率の比較に対する P=0.25).軽度のほてり,関節炎,関節痛,筋肉痛の発生率はレトロゾール群で高かったが,腟出血の発生率は低かった.レトロゾール群女性の 5.8%とプラセボ群女性の 4.5%で,骨粗鬆症が新たに診断された(P=0.07).骨折の発生率は同程度であった.初回中間解析後,独立データ・安全性モニタリング委員会は,試験終了と参加者への結果の速やかな伝達を勧告した.

結 論

標準タモキシフェン療法完了後のレトロゾール療法は,プラセボと比較して無病生存率を有意に改善する.

(本論文は 2003 年 10 月 9 日 www.nejm.org に)発表された.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 349 : 1793 - 0. )