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July 24, 2003 Vol. 349 No. 4

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閉経後の骨量減少と骨の大きさ
Bone Loss and Bone Size after Menopause

H.G. Ahlborg, O. Johnell, C.H. Turner, G. Rannevik,and M.K. Karlsson

背景

閉経後は,骨量の減少が著しくなる.しかし,骨強度は骨の大きさなどの構造上の特性にも左右される.骨の大きさが骨膜性骨形成の結果として増加するかどうか,また,骨密度と骨の大きさを示す強度指標が,骨密度単独よりも骨折リスクをよりよく予測するかどうかは明らかにされていない.

方 法

108 人の女性で,橈骨遠位端の骨量と骨格を単一光子吸収測定法で 1 年おきに評価した.これらの女性全員を,閉経時から平均 15 年間追跡調査した.閉経後の血清エストラジオール濃度と橈骨遠位端の骨折を記録した.

結 果

骨塩密度の平均(±SD)年間減少は,1.9±0.7%であった.骨の髄質部の直径は 1 年当り 1.1±0.9%増加し,骨膜径は 0.7±0.3%増加した;強度指標は 0.7±0.7%低下した.骨髄の直径の増大と骨膜径の増大は互いに相関しており(r=0.54,P<0.001),骨髄の増大が最高の四分位群である女性は,もっとも低い四分位群の女性に比べて,骨塩密度の減少が大きく,骨膜性骨形成が大きかった(双方の比較の P<0.001).閉経後血清エストラジオール濃度は,骨膜径の変化(r=-0.25,P=0.009)および骨塩密度の変化(r=0.34,P<0.001)と相関していた.ベースラインにおける強度指標が 1 SD 減少することは,橈骨遠位端の骨折のリスク比 3.8 と関連していた(95%信頼区間 1.8~8.0).

結 論

閉経後に骨量減少が著しくなることは,骨膜性骨形成の増大と関連しており,それが骨強度を部分的に維持している.強度指標は骨折リスクの有用な予測因子である可能性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 349 : 327 - 34. )