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July 24, 2003 Vol. 349 No. 4

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死期を早めるために飲食物を拒否したホスピス患者に関する看護師の経験
Nurses' Experiences with Hospice Patients Who Refuse Food and Fluids to Hasten Death

L. Ganzini and Others

背景

死期を早めたいと望む末期疾患患者に対して,飲食物を自発的に拒否することが医師幇助自殺の代りに提案されている.この選択を行った患者に関する報告はほとんどない.

方 法

オレゴン州のホスピスプログラムに雇用されている,すべての看護師に質問票を送付し,結果を解析した.

結 果

適格な看護師 429 人のうち 307 人(72%)が質問票に回答し,回答者のうち 102 人(33%)が,過去 4 年間に,自発的に飲食物を拒否し故意に死期を早めた患者をケアしたと報告した.看護師は,患者が,死を迎える覚悟ができており,生存し続けることを無意味だと考え,みずからの QOL が不良だと考えたために飲食をやめることを選択したと報告した.調査によると,85%の患者が飲食物の摂取を停止して 15 日以内に死亡した.0(非常に不良な死)から 9(非常によい死)までの尺度で,看護師が評価したこれらの死の質のスコアの中央値は 8 であった.
 ホスピスの看護師の報告によると,飲食をやめた患者は,医師幇助自殺で死亡した患者 55 例よりも高齢で(74 歳 対 64 歳,P<0.001),みずからの死の状況を管理したがる傾向が低く(P<0.001),精神衛生の専門家の評価を受けない傾向があった(9% 対 45%,P<0.001).

結 論

看護師の報告によると,ホスピスケアを受けている患者で,自発的に飲食物を拒否することを選択する患者は,高齢で,もはや生きる意味を見出せず,飲食をやめてから 2 週間以内に「よい」死を迎える.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 349 : 359 - 65. )