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September 4, 2003 Vol. 349 No. 10

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ブプレノルフィンとナロキソンの舌下錠を用いたアヘン剤依存の外来治療
Office-Based Treatment of Opiate Addiction with a Sublingual-Tablet Formulation of Buprenorphine and Naloxone

P.J. Fudala and Others

背景

ブプレノルフィンとナロキソンの舌下錠を用いて行うアヘン剤依存の外来治療が提案されているが,その有効性と安全性は十分に検討されていない.

方 法

アヘン剤依存者 326 例を対象として,多施設共同無作為プラセボ対照試験を実施した.被験者を,ブプレノルフィン(16 mg)とナロキソン(4 mg)を含む舌下錠,ブプレノルフィン(16 mg)単独,またはプラセボを連日 4 週間投与する外来治療に割付けた.主要転帰評価項目は,アヘン剤陰性の尿検体の割合,およびアヘン剤の渇望に関する被験者の自己報告とした.安全性データは,ブプレノルフィンとナロキソンの非盲検試験(それぞれ 1 日量最高 24 mg および 6 mg)に参加したアヘン剤依存者 461 例,ならびに二重盲検試験中にのみ上記の併用投与を受けた別の 11 例から得た.

結 果

ブプレノルフィンとナロキソンの併用およびブプレノルフィン単独の使用が,プラセボよりも有効であることが判明したため,二重盲検試験は早期に終了された.アヘン剤陰性の尿検体の割合は,併用群およびブプレノルフィン単独使用群(それぞれ 17.8%,20.7%)でプラセボ群(5.8%,双方との比較で P<0.001)よりも大きかった.また実薬投与群 2 群はアヘン剤への渇望の報告も少なかった(プラセボと双方との比較で P<0.001).有害事象の割合は実薬投与群とプラセボ群でほぼ同じであった.非盲検期間中,アヘン剤陰性の尿検体の割合は 35.2~67.4%であった.非盲検追跡調査試験の結果から,併用療法は安全で忍容性が高いことが示された.

結 論

ブプレノルフィンとナロキソンの併用およびブプレノルフィンの単独使用は安全であり,外来治療でこれらの薬剤投与を受けるアヘン剤依存者において,アヘン剤の使用およびアヘン剤への渇望を減少させる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 349 : 949 - 58. )