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January 8, 2004 Vol. 350 No. 2

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真性多血症における低用量アスピリンの有効性と安全性
Efficacy and Safety of Low-Dose Aspirin in Polycythemia Vera

R. Landolfi and Others

背景

真性多血症における血栓性合併症の予防を目的としたアスピリンの使用に関しては,議論が続いている.

方 法

真性多血症で,アスピリン投与の明確な適応がなく,そのような治療が禁忌ではない患者 518 例を二重盲検プラセボ対照無作為試験に組み入れ,低用量アスピリン(100 mg/日)を用いた予防の安全性と有効性を評価した.2 つの主要エンドポイントは,非致死的な心筋梗塞,非致死的な脳卒中,心血管系の原因による死亡の累積発生率,および非致死的な心筋梗塞,非致死的な脳卒中,肺塞栓,重大な静脈血栓,心血管系の原因による死亡の累積発生率とした.平均追跡期間は約 3 年であった.

結 果

アスピリンの投与は,プラセボと比較して,非致死的な心筋梗塞,非致死的な脳卒中,心血管系の原因による死亡の複合エンドポイトのリスク(相対リスク 0.41,95%信頼区間 0.15~1.15,P=0.09),非致死的な心筋梗塞,非致死的な脳卒中,肺塞栓,重大な静脈血栓,心血管系の原因による死亡の複合エンドポイトのリスク(相対リスク 0.40,95%信頼区間 0.18~0.91,P=0.03)を低下させた.全死亡率および心血管系の原因による死亡率は有意に減少しなかった.アスピリン群では,重大な出血エピソードの発症率は有意に増加しなかった(相対リスク 1.62,95%信頼区間 0.27~9.71).

結 論

低用量アスピリンにより,アスピリンが禁忌ではない真性多血症患者の血栓性合併症を安全に予防できる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 350 : 114 - 24. )