The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

January 8, 2004 Vol. 350 No. 2

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

特発性肺線維症患者におけるインターフェロンγ-1b のプラセボ対照試験
A Placebo-Controlled Trial of Interferon Gamma-1b in Patients with Idiopathic Pulmonary Fibrosis

G. Raghu and Others

背景

特発性肺線維症は進行性で致命的な疾患であり,有効な治療法は知られていない.

方 法

二重盲検多国間共同試験を行い,コルチコステロイド療法に反応しなかった特発性肺線維症患者 330 例を,インターフェロンγ-1b またはプラセボのいずれかの皮下投与に無作為に割付けた.

結 果

中央値 58 週のあいだ,インターフェロンγ-1b 療法は,主要エンドポイントである無進行生存率(疾患進行または死亡までの時間と定義)に有意な影響を及ぼさなかった.また,肺機能の指標,ガス交換,QOL に関して有意な治療効果はみられなかった.インターフェロンγ-1b 群では患者の 10%が死亡したのに対し,プラセボ群では 17%であった(P=0.08).インターフェロンγ-1b による治療は,全身症状の発症率が高いことと関連していた.しかしながら,治療の遵守率と早期の治療中止率は 2 群で同程度であった.肺炎はインターフェロンγ-1b 群の患者でより多く報告されたが,重度または生命を脅かすような気道感染症の発症率は 2 群で同程度であった.

結 論

特発性肺線維症と明確に定義された患者集団では,インターフェロンγ-1b は無進行生存率,肺機能,QOL に影響を及ぼすことはなかった.この試験の規模と期間では,生存に対する臨床的に有意な利益は否定できなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 350 : 125 - 33. )