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April 22, 2004 Vol. 350 No. 17

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完全切除された病期 I 期の肺腺癌に対するテガフール・ウラシル術後補助化学療法の無作為試験
A Randomized Trial of Adjuvant Chemotherapy with Uracil–Tegafur for Adenocarcinoma of the Lung

H. Kato and Others

背景

非小細胞肺癌切除後の補助化学療法に関する先行の第 III 相試験において,経口テガフール・ウラシル配合剤(UFT)による生存期間の延長が示された.サブグループ解析によると,利益を受けた患者の大半は病期 I 期の腺癌患者であった.

方 法

完全切除された病期 I 期の肺腺癌患者を,2 年間の UFT(テガフール 250 mg/m2 [体表面積]/日)投与または無治療に無作為に割付けた.病理学的原発腫瘍分類(T1 対 T2),性別,年齢によって層別化し,無作為割付けを行った.主要エンドポイントは全生存とした.

結 果

1994 年 1 月~1997 年 3 月に,999 例を登録した.20 例が非適格であることが判明し,解析から除外された.その結果,491 例が UFT 投与群に,488 例が経過観察群に割付けられた.生存患者の追跡期間の中央値は 73 ヵ月であった.2 群間の全生存の差は統計学的に有意であり,UFT 群のほうが優れていた(層別化 log-rank 検定で P=0.04).実際に UFT を投与された 482 例中 10 例(2%)に,グレード III の有害事象が生じた.

結 論

UFT を用いた補助化学療法により,完全切除された病期 I 期の肺腺癌患者の生存が向上する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 350 : 1713 - 21. )