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May 13, 2004 Vol. 350 No. 20

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米国における潜伏結核感染治療の優先事項
Priorities for the Treatment of Latent Tuberculosis Infection in the United States

C.R. Horsburgh, Jr.

背景

潜伏結核感染の治療を通じて行う活動性結核の予防は,米国の結核撲滅に向けた国家戦略の重要な要素である.この目標を達成するためには,結核が再燃するリスクがもっとも高い人に標的を定めた治療が必要であると考えられる.結核再燃の生涯リスクは通常 5~10%と推定されるが,このリスクをより正確に評価することで,もっともリスクの高い患者が特定され,そのような患者に治療の完了を動機付けるのに役立つ可能性がある.現在,治療完了率は低い.

方 法

公表された報告を再調査し,ツベルクリン反応陽性者における結核リスクの推定値を得た.これらのデータを用いて,特定の病状を有する人における,結核の生涯リスクを推定するためのモデルを構築した.

結 果

ツベルクリン反応検査で 10 mm 以上の硬結を伴い,ヒト免疫不全ウイルス感染または結核治癒所見がみられる人のほとんどでは,結核再燃の生涯リスクは 20%以上である.ツベルクリン反応が最近陽転した人や,インフリキシマブ治療を受けており,ツベルクリン反応で 15 mm 以上の硬結がみられる 35 歳未満の人のほとんどでは,生涯リスクは 10~20%である.ツベルクリン反応で 10 mm 以上の硬結がみられる 5 歳以下の小児でも,リスクは 10~20%である.

結 論

これらの特性を有する人を,潜伏結核を完全に治療するための集中的な取り組みの対象とすべきである.そのような人の治療完了率を改善することは,米国における結核撲滅に寄与する可能性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 350 : 2060 - 7. )