黒人および非ヒスパニック系白人における慢性 C 型肝炎に対する PEG インターフェロンα-2b とリバビリンの併用療法
Peginterferon Alfa-2b and Ribavirin for the Treatment of Chronic Hepatitis C in Blacks and Non-Hispanic Whites
A.J. Muir, J.D. Bornstein, and P.G. Killenberg
慢性 C 型肝炎に感染した黒人患者は,白人患者と比較してインターフェロン α に対する反応率が低いことが,いくつかの小規模な研究で報告されている.その原因として,他の遺伝子型と比較して反応率が低い,1 型の遺伝子型の C 型肝炎ウイルス(HCV)感染の有病率が増加していることが示唆されている.
慢性 C 型肝炎の黒人患者 100 例および非ヒスパニック系白人患者 100 例を,PEG インターフェロンα-2b とリバビリンの併用で 48 週間治療した.患者の登録を調整し,1 型ウイルスに感染している患者の割合が両群でほぼ等しくなるようにした.主要エンドポイントはウイルス学的反応の持続とし,その定義は治療終了の 6 ヵ月後に血清 HCV RNA 検査が陰性であることとした.
いずれのコホート集団においても,患者の 98%が 1 型ウイルスに感染していた.ウイルス学的反応の持続が認められた割合は,非ヒスパニック系白人患者で黒人患者よりも高かった(52% 対 19%,P<0.001).黒人患者では,治療開始後 12 週および治療終了時にウイルス学的反応が認められた割合も有意に低かった.多変量解析により社会人口学的特性および臨床的特性を検討したところ,黒人であることは,反応率の差と有意に関連している唯一の変数であった.
慢性 C 型肝炎の黒人患者は,非ヒスパニック系白人患者と比較して PEG インターフェロンα-2b とリバビリンの併用療法に対する反応率が低く,その差はウイルスの遺伝子型の違いでは説明されない.