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June 3, 2004 Vol. 350 No. 23

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結腸癌に対する補助療法としてのオキサリプラチン,フルオロウラシル,ロイコボリン
Oxaliplatin, Fluorouracil, and Leucovorin as Adjuvant Treatment for Colon Cancer

T. Andre and Others

背景

結腸癌の標準的な補助療法は,フルオロウラシル+ロイコボリン(FL)である.オキサリプラチンは,転移性大腸癌患者において,この組み合せの有効性を高める.われわれは,FL+オキサリプラチンを用いた治療法の,術後補助療法としての有効性を評価した.

方 法

病期 II 期または III 期の結腸癌の治癒切除を受けた患者 2,246 例を,6 ヵ月間,FL のみを投与する群,または FL とオキサリプラチンを投与する群に無作為に割付けた.主要エンドポイントは無病生存率とした.

結 果

患者 1,123 例をいずれかの群に無作為に割付けた.中央値 37.9 ヵ月の追跡期間後,癌に関連したイベントが発生したのは,FL+オキサリプラチン投与群で 237 例,FL 群で 293 例であった(21.1% 対 26.1%;再発のハザード比 0.77;P=0.002).3 年無病生存率は,FL+オキサリプラチン投与群で 78.2%(95%信頼区間 75.6~80.7),FL 群で 72.9%(95%信頼区間70.2~75.7)であった(層別化したログランク検定で P=0.002).FL+オキサリプラチン投与群では,発熱性好中球減少症の発生率は 1.8%,消化管の有害作用の発生率は低く,グレード 3 の感覚性ニューロパチーの発生率は治療中には 12.4%であったが,追跡 1 年の時点で 1.1%に低下した.治療中に両群でそれぞれ 6 例が死亡した(死亡率 0.5%).

結 論

フルオロウラシル+ロイコボリンのレジメンに,オキサリプラチンを追加することで,結腸癌の補助療法が改善される.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 350 : 2343 - 51. )