The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

January 22, 2004 Vol. 350 No. 4

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

非小細胞肺癌を完全切除した患者におけるシスプラチンを基本とした補助化学療法
Cisplatin-Based Adjuvant Chemotherapy in Patients with Completely Resected Non–Small-Cell Lung Cancer

The International Adjuvant Lung Cancer Trial Collaborative Group

背景

先行のメタアナリシスの結果に基づき,国際肺癌補助療法試験(International Adjuvant Lung Cancer Trial)は,シスプラチンを基本とした補助化学療法が非小細胞肺癌の完全切除後の生存率に及ぼす影響を評価することを目的としてデザインされた.

方 法

患者を,3~4 サイクルのシスプラチンを基本とした化学療法あるいは経過観察のいずれかに無作為に割付けた.各施設は,試験に組み入れる病期,施設の化学療法に対する方針(シスプラチンの投与量とシスプラチンと併用する薬剤),術後の放射線療法に対する方針を無作為化前に決定した.主要エンドポイントは全生存率とした.

結 果

計 1,867 例が無作為に割り付けられた;患者の 36.5%が病期 I,24.2%が病期 II,39.3%が病期 III であった.シスプラチンと併用した薬剤は,エトポシド,ビノレルビン,ビンブラスチン,ビンデシンで,それぞれ患者の 56.5%,26.8%,11.0%,5.8%で使用された.化学療法に割り付けられた 932 例のうち,73.8%が 240 mg/m2(体表面積)以上のシスプラチン投与を受けた.追跡期間の中央値は 56 ヵ月であった.化学療法に割り付けられた患者では,経過観察に割り付けられた患者よりも生存率が有意に高かった(5 年間で 44.5% 対 40.4% [死亡は 469 例 対 504 例];死亡に対するハザード比 0.86;95%信頼区間 0.76~0.98;P<0.03).化学療法に割り付けられた患者では,経過観察に割り付けられた患者よりも無病生存率が有意に高かった(5 年間で 39.4% 対 34.3% [疾患イベントは 518 例 対 577 例];ハザード比 0.83;95%信頼区間 0.74~0.94;P<0.003).事前に規定した要因との有意な相互作用はみられなかった.7 例(0.8%)が化学療法誘発性の毒性作用で死亡した.

結 論

シスプラチンを基本とした補助化学療法は,非小細胞肺癌を完全切除した患者の生存率を改善する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 350 : 351 - 60. )