The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

September 16, 2004 Vol. 351 No. 12

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

無症候性ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群の小児における高周波アブレーション
Radiofrequency Ablation in Children with Asymptomatic Wolff-Parkinson-White Syndrome

C. Pappone and Others

背景

無症候性ウォルフ・パーキンソン・ホワイト(WPW)症候群の小児では,発現する不整脈が心室細動である場合がある.この不整脈による死亡は,予防できる可能性がある.

方 法

無症候性の WPW 症候群で,不整脈のリスクが高い小児(年齢 5~12 歳)を対象に,副伝導路に対する予防的高周波カテーテル・アブレーションを行った場合と行わなかった場合とを比較する無作為試験を行った.主要エンドポイントは,追跡期間中の不整脈イベントの発生とした.

結 果

適格患児 165 例のうち,60 例が不整脈のリスクが高いと判断された.無作為化後,13 例が両親の意向で,アブレーションを行う前に試験から離脱した.残りの小児のうち,20 例は予防的アブレーションを受け,27 例は治療を受けなかった.2 群の特徴は類似していた.アブレーションに関連した合併症は 3 例認められ,そのうちの 1 例は入院にいたった.追跡期間中に,アブレーション群の 1 例(5%)と対照群の 12 例(44%)で不整脈イベントが発生した.対照群の 2 例に心室細動がみられ,1 例は突然死した.不整脈イベントの累積発生率は,アブレーションを受けた高リスクの小児のほうが,アブレーションを受けなかった高リスクの小児よりも低かった.アブレーションに関連するリスクの低下は,Cox 回帰分析で補正後も有意であった.アブレーション群と対照群における不整脈イベントの独立した予測因子は,予防的アブレーションを行っていないことと,副伝導路が複数存在することであった.

結 論

無症候性で,高リスクの WPW 症候群の小児においては,経験を積んだ術者が予防的カテーテル・アブレーションを行うことで,生命を脅かす不整脈のリスクが低減する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 351 : 1197 - 205. )