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September 30, 2004 Vol. 351 No. 14

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赤芽球癆とエポエチン治療
Pure Red-Cell Aplasia and Epoetin Therapy

C.L. Bennett and Others

背景

1988~98 年に,遺伝子組換えヒトエリスロポエチン(エポエチン)による治療を受けた患者 3 例において,抗体産生に関連した赤芽球癆が報告された.1988~2000 年に,このような症例がフランスで 13 例報告され,うち 12 例はエポエチン α 製剤であるエプレックス(Eprex)の投与を,1 例はネオレコルモン(Neorecormon,エポエチン β 製剤)の投与を受けていた.両剤とも米国外で市販されている製品である.

方 法

米国食品医薬品局,およびエプレックス,エポジェン(Epogen,別のエポエチン α 製剤),ネオレコルモンの製造業者から,エポエチンに関連した赤芽球癆に関する報告を入手した.症例報告数,および曝露について補正した推定発生率を,製品,貧血の原因,投与経路,赤芽球癆が確認された国,赤芽球癆が報告された日に基づいて解析した.

結 果

1998 年 1 月~2004 年 4 月のあいだに,エポエチンに関連した赤芽球癆が,エプレックスで 175 例,ネオレコルモンで 11 例,エポジェンで 5 例報告された.症例の半数以上は,フランス,カナダ,英国,スペインで発生していた.2001~03 年の曝露について補正した推定発生率は,ヒト血清アルブミンを含まないエプレックス製剤で 10 万例・年当り 18 例,ヒト血清アルブミン含有エプレックス製剤で 10 万例・年当り 6 例,ネオレコルモンで 10 万例・年当り 1 例,エポジェンで 10 万例・年当り 0.2 例であった.エプレックスの貯蔵と取扱い,および慢性腎疾患患者への投与を適切に行うための処置をとることで,曝露について補正した発生率が全世界で 83%減少した.

結 論

エプレックスに関連した赤芽球癆の発生率は,2001 年にピークに達したあと,薬物モニタリング制度に応じて計画された介入法により,全世界で 80%以上減少した.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 351 : 1403 - 8. )