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November 25, 2004 Vol. 351 No. 22

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成人白血病患者における非血縁ドナーからの臍帯血移植と骨髄移植の転帰
Outcomes after Transplantation of Cord Blood or Bone Marrow from Unrelated Donors in Adults with Leukemia

M.J. Laughlin and Others

背景

成人の臍帯血移植件数が増加しているにもかかわらず,その転帰に関するデータは少ない.

方 法

成人白血病患者において,非血縁ドナーからの造血幹細胞移植の転帰を比較した.患者は,HLA 抗原 1 座不一致の臍帯血(34 例),HLA 抗原 2 座不一致の臍帯血(116 例),HLA 抗原 1 座不一致の骨髄(83 例),HLA 適合骨髄(367 例)のいずれかの移植を受けた.Cox 比例ハザードモデルを用いてデータを解析した.

結 果

臍帯血レシピエントは,骨髄レシピエントと比較して年齢が低く,白血病が進行している割合が高く,移植された有核細胞数が少なかった.不一致骨髄移植群と不一致臍帯血移植群では,適合骨髄移植群と比較して造血回復が遅かった.急性移植片対宿主病(GVHD)は不一致骨髄移植後に発生する確率が高く,慢性 GVHD は臍帯血移植後に発生する確率が高かった.治療関連死亡率,治療失敗率,全死亡率は,適合骨髄移植群でもっとも低かった.不一致骨髄移植群と不一致臍帯血移植群では,治療関連死亡率(P=0.96),治療失敗率(P=0.69),全死亡率(P=0.62)がほぼ同等であった.白血病の再発率に群間差は認められなかった.臍帯血移植後の転帰には,1 座不一致群と 2 座不一致群のあいだで差はみられなかった.

結 論

HLA が適合した成人ドナーがいない場合,HLA 不一致の臍帯血は,成人への移植に用いることのできる造血幹細胞の供給源として見なすべきである.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 351 : 2265 - 75. )