The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

December 2, 2004 Vol. 351 No. 23

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

心房細動発症直後の患者の「携帯錠剤」法による外来治療
Outpatient Treatment of Recent-Onset Atrial Fibrillation with the "Pill-in-the-Pocket" Approach

P. Alboni and Others

背景

心房細動を停止させるために,院内ではフレカイニドまたはプロパフェノンを経口で単回投与することは,有効で,プラセボよりも優れていることが実証されている.われわれは,院外で発症した直後の心房細動を停止させるための,フレカイニドまたはプロパフェノンの経口自己投与の実行可能性と安全性を評価した.

方 法

血行動態に問題がなく,心房細動発症直後に救急治療室を受診した患者で,軽度の心疾患のある患者または心疾患のない患者 268 例において,洞調律を回復させるためにフレカイニドまたはプロパフェノンを経口投与した.このうち 58 例(22%)は,治療失敗または副作用のため試験から除外された.残る 210 例(平均 [±SD] 59±11 歳)において,フレカイニドまたはプロパフェノンを,動悸発症後に院外で自己投与する「携帯錠剤」法を評価した.

結 果

平均 15±5 ヵ月の追跡期間中,165 例(79%)で計 618 件の不整脈が起り,うち 569 件(92%)が症状発現後 36±93 分で治療を行った.534 件(94%)で治療が成功し,症状が消退するまでの時間は 113±84 分であった.再発があった患者 165 例中 139 例(84%)で,薬剤はすべての不整脈発生中に有効であった.12 例(7%)において,1 件以上の不整脈発生中に有害作用が報告された.その内訳は心拍数上昇時の心房粗動が 1 例,心臓以外の副作用が 11 例であった.1 ヵ月間の救急治療室の受診数と入院数は,追跡期間中のほうが,基準となる心房細動の発症前 1 年間よりも有意に少なかった(両比較の P<0.001).

結 論

再発性心房細動患者を選別しリスクで層別化した集団において,「携帯錠剤」による治療は実行可能かつ安全であり,患者の遵守率は高かった.また,有害事象の発生率は低く,救急治療室の受診や入院が顕著に減少した.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 351 : 2384 - 91. )