December 9, 2004 Vol. 351 No. 24
進行卵巣癌に対する二次的外科切除術
Secondary Surgical Cytoreduction for Advanced Ovarian Carcinoma
P.G. Rose and Others
進行卵巣癌で初回手術後に直径 1 cm を超える腫瘍が残存している患者において,術後化学療法に加え二次的切除術を行うことが,無進行生存と全生存に及ぼす影響を評価した.
初回手術後 6 週以内に患者を組み入れた.術後にパクリタキセル+シスプラチンの投与を 3 サイクル行い,癌の進行の徴候がみられなかった患者を,二次的切除術を施行しその後さらに 3 サイクルの化学療法を行う群,または化学療法のみをさらに 3 サイクル行う群に無作為に割付けた.
患者 550 例を組み入れた.3 サイクルの術後化学療法終了後,適格患者の 216 例を二次的切除術とその後の化学療法に,208 例を化学療法のみに無作為に割付けた.二次的切除術に割付けられた患者のうち 15 例(7%)で,手術は拒否されるか,医学的に禁忌であった.2003 年 3 月の時点で,296 例が死亡し,82 例で癌が進行した.化学療法単独群と比較し,二次的切除術+化学療法群の無進行生存の確率は 1.07 倍であり(95%信頼区間 0.87~1.31,P=0.54),死亡の相対リスクは 0.99 であった(95%信頼区間 0.79~1.24,P=0.92).
進行卵巣癌で初回の腫瘍減量手術で切除が最大限に行われたと考えられる患者では,パクリタキセル+シスプラチンによる術後化学療法に加え二次的切除術を行っても,無進行生存や全生存は向上しない.