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March 31, 2005 Vol. 352 No. 13

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腎移植レシピエントのカポジ肉腫に対するシロリムス
Sirolimus for Kaposi's Sarcoma in Renal-Transplant Recipients

G. Stallone and Others

背景

臓器移植レシピエントは,免疫抑制剤による治療を受けるため,カポジ肉腫に罹患しやすい.免疫抑制剤であるシロリムス(sirolimus,別名ラパマイシン[rapamycin])には,抗腫瘍効果もある可能性がある.

方 法

生検でカポジ肉腫が確認された腎移植レシピエント 15 例に対し,シクロスポリン療法を中止して,シロリムス療法を開始した.診断時に,患者全例に対して病変の切除生検と正常皮膚生検を実施した.シロリムス療法開始から 6 ヵ月後,前回カポジ肉腫病変のあった部位で 2 回目の生検を実施した.生検標本で,血管内皮増殖因子(VEGF),Flk-1/KDR 蛋白,そしてシロリムスの標的となるシグナル伝達経路の酵素,リン酸化 Akt と p70S6 キナーゼについて調べた.

結 果

シロリムス療法開始から 3 ヵ月後,患者全例で皮膚のカポジ肉腫病変がすべて消失した.シロリムス療法開始から 6 ヵ月後には,寛解が患者全例で組織学的に確認された.拒絶や移植腎機能の変化による急性症状はなかった.カポジ肉腫細胞では,Flk-1/KDR およびリン酸化 Akt,p70S6 キナーゼの量が増加していた.VEGF の発現は,カポジ肉腫細胞で増加していたが,カポジ肉腫病変周辺の正常皮膚細胞ではさらに増加していた.

結 論

シロリムスは,腎移植レシピエントにおいて,効果的に免疫を抑制する一方で,皮膚のカポジ肉腫の進行を阻害する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 352 : 1317 - 23. )