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March 31, 2005 Vol. 352 No. 13

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神経因性疼痛に対するモルヒネ,ガバペンチン,または両剤の併用
Morphine, Gabapentin, or Their Combination for Neuropathic Pain

I. Gilron and Others

背景

神経因性疼痛の治療に使用できる薬剤は,有効性が不十分であり,用量制限毒性がある.われわれは,有痛性糖尿病性神経障害または帯状疱疹後神経痛の患者を対象に,ガバペンチン(gabapentin)とモルヒネの併用投与の有効性を,それぞれの単独投与の有効性と比較した.

方 法

4 期間にわたるこの無作為二重盲検活性プラセボ対照クロスオーバー試験において,患者に,活性プラセボ(ロラゼパム),徐放性モルヒネ,ガバペンチン,ガバペンチン+モルヒネを,経口でそれぞれ 5 週間ずつ毎日投与した.主要転帰指標は,最大耐用量の投与を受けた患者の 1 日の平均疼痛強度とし,副次転帰は,疼痛(簡易マギル疼痛質問票で評価),有害事象,最大耐用量,気分,QOL とした.

結 果

無作為化した 57 例(糖尿病性神経障害 35 例,帯状疱疹後神経痛 22 例)のうち,41 例が試験を完了した.最大耐用量の試験薬を投与したさいの 1 日の平均疼痛(0~10 段階で評価,数値が高いほど重度の疼痛を示す)は,ベースライン時には 5.72 であったのに対し,プラセボで 4.49,ガバペンチンで 4.15,モルヒネで 3.70,ガバペンチン+モルヒネで 3.06 であった(ガバペンチン+モルヒネと,プラセボ,ガバペンチン,モルヒネとの比較で P<0.05).最大耐用量投与時の簡易マギル疼痛質問票の合計スコア(0~45 段階で評価,数値が高いほど重度の疼痛を示す)は,プラセボで 14.4,ガバペンチンで 10.7,モルヒネで 10.7,ガバペンチン+モルヒネで 7.5 であった(ガバペンチン+モルヒネと,プラセボ,ガバペンチン,モルヒネとの比較で P<0.05).モルヒネとガバペンチンの最大耐用量は,併用投与時のほうが各薬剤の単独投与時よりも少なかった(P<0.05).ガバペンチン+モルヒネでは,最大耐用量を投与した場合,ガバペンチン単独よりも便秘の発生率が高く(P<0.05),モルヒネ単独よりも口渇の発生率が高かった(P<0.05).

結 論

ガバペンチンとモルヒネは,併用投与により,単独投与よりも低用量でより優れた鎮痛効果が得られたが,頻度の高い有害作用として,便秘,鎮静,口渇がみられた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 352 : 1324 - 34. )