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February 3, 2005 Vol. 352 No. 5

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濾胞性リンパ腫の初回治療としての 131I トシツモマブ
131I-Tositumomab Therapy as Initial Treatment for Follicular Lymphoma

M.S. Kaminski and Others

背景

進行期濾胞性 B 細胞性リンパ腫は,治療不能と考えられている.抗 CD20 放射免疫療法は,化学療法後に再発が認められた患者や難治性の濾胞性リンパ腫患者において有効であるが,これまで治療を受けたことのない患者では検討されていない.

方 法

病期 III 期または IV 期の濾胞性リンパ腫の患者 76 例に対し,初回治療として 131I トシツモマブ(tositumomab)療法(トシツモマブとヨウ素 131 標識トシツモマブの併用 [Tositumomab and Iodine I 131 Tositumomab] として登録;ベキサール [Bexxar] 治療レジメン)を 1 クール行った.この治療法では,線量測定のためのトシツモマブ+131I 標識トシツモマブ投与を行い,その 1 週間後に,全身照射で 75 cGy に相当するトシツモマブ+131I 標識トシツモマブの治療投与を行った.

結 果

95%の患者でなんらかの反応が得られ,75%の患者では完全寛解が得られた.ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)で BCL2 遺伝子の再配列を検出したところ,臨床的に完全寛解が得られた評価可能な患者のうち,80%で分子的寛解が認められた.中央値 5.1 年の追跡期間後,全患者の生命表法による 5 年無進行生存率は 59%であり,無進行生存の中央値は 6.1 年であった.再発の年率は時間と共に徐々に低下し,1 年目は 25%,2 年目は 13%,3 年目は 12%,4 年目以降は年 4.4%であった.完全寛解が得られた 57 例のうち,40 例では 4.3~7.7 年間寛解が持続した.血液毒性は中等度で,輸血や造血因子を必要とする患者はいなかった.骨髄異形成症候群の症例はみられなかった.

結 論

進行期濾胞性リンパ腫患者において,初回治療として 1 週間の 131I トシツモマブ療法を 1 クール行うと,臨床的寛解と分子的寛解の期間が延長する可能性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 352 : 441 - 9. )