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February 10, 2005 Vol. 352 No. 6

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骨髄異形成症候群に対するレナリドミドの有効性
Efficacy of Lenalidomide in Myelodysplastic Syndromes

A. List and Others

背景

無効造血は,骨髄異形成症候群の特徴である.無効造血による貧血は管理がむずかしい.骨髄異形成症候群で症候性貧血の患者において,サリドマイドの新規アナログであるレナリドミド(lenalidomide)の安全性と血液学的活性を評価した.

方 法

輸血依存性または症候性の貧血患者 43 例に,レナリドミドを 25 mg/日または 10 mg/日で投与するか,28 日のサイクルで 10 mg/日を 21 日間投与した.すべての患者は,遺伝子組換え型エリスロポエチンに反応しなかったか,あるいは内因性エリスロポエチン値が高いため遺伝子組換え型エリスロポエチンが有効である可能性が低かった.治療に対する反応を 16 週後に評価した.

結 果

もっとも多くみられた有害事象は好中球減少と血小板減少で,発生率はそれぞれ 65%と 74%であった.これらの有害事象により,25 例(58%)では治療中断または用量減量が必要となった.他の有害事象は軽度であり,発生は少なかった.24 例(56%)で奏効が得られた.うち 20 例では輸血の必要がない状態が持続し,1 例ではヘモグロビン値が 2 g/dL を超える上昇がみられ,3 例では輸血の必要性が 50%以上減少した.奏効率がもっとも高かったのは,染色体 5q31.1 にクローン性の中間部欠失のみられる患者(83%.これに対し正常核型の患者では 57%,他の核型異常のみられる患者では 12%;P=0.007)や,予後リスクの低い患者であった.核型異常のみられる患者 20 例のうち,細胞遺伝学的完全寛解が得られた 10 例(50%)を含む 11 例で,有糸分裂中期に異常細胞が少なくとも 50%減少した.追跡期間の中央値 81 週の時点では,輸血の必要がない期間の中央値に達しておらず,ヘモグロビン値は中央値 13.2 g/dL(範囲 11.5~15.8)であった.

結 論

レナリドミドは,低リスクの骨髄異形成症候群で,エリスロポエチンに反応しないか,従来の治療法では効果が得られないと考えられる患者において,血液学的活性をもつ.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 352 : 549 - 57. )