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February 17, 2005 Vol. 352 No. 7

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淋菌感染症やクラミジア感染症の再発や持続感染に対する性的パートナーの迅速な治療の効果
Effect of Expedited Treatment of Sex Partners on Recurrent or Persistent Gonorrhea or Chlamydial Infection

M.R. Golden and Others

背景

淋菌感染症患者やクラミジア感染症患者の性的パートナーの多くは治療を受けていないため,再感染が頻繁に起り感染が拡大している.

方 法

淋菌またはクラミジアに感染している女性と異性愛の男性を対象に,パートナーに迅速な治療を受けさせる群,または専門医への標準的な紹介を受けさせる群に無作為に割付けた.迅速治療群の患者には,性的パートナーに渡す薬剤を提供するか,希望によっては,研究スタッフがパートナーに連絡を取り,臨床検査を行わずに薬剤を提供した.パートナーへの標準的な専門医紹介に割付けられた患者には,パートナーに治療を受けさせるよう助言し,パートナーに知らせるための援助を行った.主要転帰は,治療後 3~19 週の時点での,患者の淋菌感染症またはクラミジア感染症の持続または再発とした.

結 果

淋菌感染症やクラミジア感染症の持続または再発は,パートナーへの標準的な専門医紹介群の患者 931 例中 121 例(13%)と,性的パートナーの迅速治療群の患者 929 例中 92 例(10%)で発生した(相対リスク 0.76,95%信頼区間 0.59~0.98).迅速治療は,持続感染または再感染を減少させるうえで標準的な専門医紹介よりも効果的であり,その効果は淋菌感染症患者(発生率 3% 対 11%,P=0.01)のほうがクラミジア感染症患者(発生率 11% 対 13%,P=0.17)よりも高かった(治療効果の比較において P=0.05).また,迅速治療は,追跡時に感染に関する他の予測因子で補正しても,依然として感染の持続や再発のリスクの低下と独立して関連していた(相対リスク 0.75,95%信頼区間 0.57~0.97).性的パートナーの迅速治療群に割付けられた患者は,パートナーへの専門医紹介群に割付けられた患者に比べ,パートナー全員が治療を受けたと報告する割合が有意に高く,治療を受けていないパートナーと性交渉をもったと報告する割合が有意に低かった.

結 論

性的パートナーの迅速な治療により,淋菌やクラミジアの持続感染率や再感染率が低下する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 352 : 676 - 85. )