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February 24, 2005 Vol. 352 No. 8

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ヒトヘルペスウイルス 6 型の初感染に関する人口ベースの研究
A Population-Based Study of Primary Human Herpesvirus 6 Infection

D.M. Zerr and Others

背景

血清学的研究により,小児の 90%が 2 歳までにヒトヘルペスウイルス 6 型(HHV-6)に感染することが示されている.HHV-6 の感染と,そのウイルス学的経過,臨床症状についてはほとんど知られていない.

方 法

HHV-6 感染のパターンを明らかにするため,新生児から 2 歳までの小児 277 例のコホート集団を前向きに調査した.小児の唾液を毎週採取し,ポリメラーゼ連鎖反応法を用いて HHV-6 DNA の検査を行った.小児の親が,子供の疾患の徴候や症状を毎日記録した.

結 果

130 例で HHV-6 の初感染が起り,その累積感染率は月齢 12 ヵ月の時点で 40%,24 ヵ月の時点で 77%であった.感染のピークは月齢 9~21 ヵ月であった.HHV-6 の感染は,性別が女であること(補正後ハザード比 1.7,95%信頼区間 1.2~2.4)と,兄姉がいること(補正後ハザード比 2.1,95%信頼区間 1.4~2.9)に関連していた.HHV-6 感染の時期が特定されている 81 例では,93%に症状があり,38%が医師の診察を受けた.痙攣を起した例はなかった.他の疾患の小児に比べ,HHV-6 に初感染した小児では,発熱(P=0.003),むずかり(P=0.02),下痢(P=0.03),発疹(P=0.003),バラ疹(P=0.002)の発生率が高く,医師の受診率が高かった(P=0.003).

結 論

乳児期における HHV-6 の感染は通常症候性であり,医師の診察を受けることが多い.罹患児の少数にバラ疹が生じるが,HHV-6 の初感染に関連して熱性痙攣が起る頻度は低い.兄姉が HHV-6 の感染源になると考えられる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 352 : 768 - 76. )