The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

September 29, 2005 Vol. 353 No. 13

先天性サイトメガロウイルス感染症に対する妊娠中の受動免疫療法
Passive Immunization during Pregnancy for Congenital Cytomegalovirus Infection

G. Nigro and Others

背景

妊娠中のサイトメガロウイルス(CMV)初感染に対する有効な介入法は,現在のところない.

方 法

妊娠中に CMV に初感染した女性を対象に調査を行った.羊水に CMV または CMV-DNA が検出され,妊婦体重 1 kg 当り 200 U の CMV 高力価免疫グロブリンの静脈内投与を勧められた女性を治療群とした.また,妊娠 21 週前で最近 CMV に初感染した女性あるいは羊水穿刺を拒否した女性で,高力価免疫グロブリン(100 U/kg 静注)の毎月の投与を勧められた女性を予防群とした.

結 果

治療群では,31 例が高力価免疫グロブリン投与を受けた.そのうち,CMV 疾患罹患児(出生時に感染症状があり,2 歳以上で障害が出る)を出産したのは 1 例(3%)のみであったのに対し,高力価免疫グロブリンの投与を受けなかった 14 例では,7 例(50%)が CMV 疾患罹患児を出産した.このように,高力価免疫グロブリン療法は,先天性 CMV 疾患のリスクが有意に低いことと関連した(補正後のオッズ比 0.02,95%信頼区間 -∞~0.15,P<0.001).予防群では,37 例が高力価免疫グロブリン治療を受け,うち 6 例(16%)が先天性 CMV 疾患罹患児を出産したのに対し,高力価免疫グロブリン治療を受けなかった 47 例では 19 例(40%)が先天性 CMV 疾患罹患児を出産した.このように,高力価免疫グロブリンによる治療は,先天性 CMV 感染のリスクが有意に低いことと関連した(補正後のオッズ比 0.32,95%信頼区間 0.10~0.94,P=0.04).高力価免疫グロブリン療法により,CMV 特異的 IgG の濃度と抗原結合活性が有意に上昇し(P<0.001),NK 細胞と HLA-DR+細胞が減少したが,有害作用はみられなかった.

結 論

妊娠女性に対する CMV 特異的高力価免疫グロブリン療法は安全であり,この非無作為試験の結果から,先天性 CMV 感染症の治療と予防に有効である可能性が示唆される.いまや本剤の対照試験を実施するのが適当と考えられる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 353 : 1350 - 62. )