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December 8, 2005 Vol. 353 No. 23

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高尿酸血症・痛風の患者に対するフェブキソスタットとアロプリノールの比較
Febuxostat Compared with Allopurinol in Patients with Hyperuricemia and Gout

M.A. Becker and Others

背景

新規の非プリン系キサンチン酸化酵素選択的阻害薬であるフェブキソスタット(febuxostat)は,高尿酸血症・痛風の患者に用いるアロプリノールの代替薬となる可能性がある.

方 法

血清尿酸値が 8.0 mg/dL(480 μmol/L)以上の痛風患者 762 例を,フェブキソスタット(80 mg,120 mg)またはアロプリノール(300 mg)を 1 日 1 回,52 週間投与する群に無作為に割付けた.760 例が試験薬の投与を受けた.第 1 週~第 8 週に,ナプロキセンまたはコルヒチンを用いて痛風発作を予防した.主要エンドポイントは,月 1 回測定する血清尿酸値が,最終 3 ヵ月間に 6.0 mg/dL(360 μmol/L)未満であることとした.副次的エンドポイントは,痛風発作の発生率低下,痛風結節面積減少などとした.

結 果

主要エンドポイントは,フェブキソスタット 80 mg 群の 53%,フェブキソスタット 120 mg 群の 62%,アロプリノール群の 21%で達成された(各フェブキソスタット群とアロプリノール群の比較について P<0.001).治療を継続することで痛風発作の発生率は減少したが,第 9 週~第 52 週の全発生率はすべての群で同程度であり,フェブキソスタット 80 mg 群で 64%,フェブキソスタット 120 mg 群で 70%,アロプリノール群で 64%であった(フェブキソスタット 80 mg 群とアロプリノール群の比較について P=0.99,フェブキソスタット 120 mg 群とアロプリノール群の比較について P=0.23).痛風結節面積減少の中央値は,フェブキソスタット 80 mg 群で 83%,フェブキソスタット 120 mg 群で 66%,アロプリノール群で 50%で あった(フェブキソスタット 80 mg 群とアロプリノール群の比較について P=0.08,フェブキソスタット 120 mg 群とアロプリノール群の比較について P=0.16).試験を中止した患者は,フェブキソスタット高用量群で,アロプリノール群(P=0.003)およびフェブキソスタット低用量群よりも多かった.死亡した患者は,フェブキソスタット両群の 507 例中 4 例(0.8%),アロプリノール群の 253 例中 0 例であった.死亡の原因はいずれも,研究者(治療について盲検状態)によって,試験薬とは関係のないものと判断された(フェブキソスタット両群とアロプリノール群の比較について P=0.31).

結 論

フェブキソスタットは,1 日量 80 mg または 120 mg の投与で,アロプリノールで一般的に用いられている 1 日固定用量 300 mg の投与よりも,効果的に血清尿酸値を低下させた.痛風発作と痛風結節面積の減少は,すべての治療群で同程度であった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 353 : 2450 - 61. )