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July 21, 2005 Vol. 353 No. 3

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米国の病院におけるケア ― 病院の質に関する提携プログラム
Care in U.S. Hospitals― The Hospital Quality Alliance Program

A.K. Jha and Others

背景

病院の質に関する提携プログラム(Hospital Quality Alliance;HQA)は,全米規模で病院の実績に関するデータを定期的に報告するという,はじめての取り組みである.これまで,このようなデータを入手することはできなかった.

方 法

メディケア・メディケイドサービスセンターが収集した,急性心筋梗塞,うっ血性心不全,肺炎のケアの質に関する,10 の指標についてのデータを使用した.主要転帰指標は,各指標についての病院の実績と,各疾患に対する総合スコアとした.多変量線形回帰分析を用いて,実績の高さを予測する因子を明らかにした.

結 果

計 3,558 ヵ所の病院が,2004 年の前半に,1 つ以上の安定した指標(少なくとも患者 25 例以上の退院時データから得られた情報と定義)に関するデータを報告した.実績スコアの中央値(規準を満たした患者の百分率で表示)は,10 の指標のうち 5 つの指標については 90%以上であったが,残り 5 つの指標は 90%未満であった.実績は,大きな病院紹介地域の中で中程度の変動を示し,順位がもっとも高い地域では,もっとも低い地域と比較して 12 パーセントポイント(急性心筋梗塞)から 23 パーセントポイント(肺炎)高かった.急性心筋梗塞に対するケアの質の高さは,うっ血性心不全に対するケアの質の高さを予測するものであったが,肺炎に対するケアの質の高さについてはそれほど予測するものではなかった.わずかであるが有意な実績の向上に関連した特徴として,大学病院であること,北東部または中西部に位置すること,非営利病院であることがあげられた.

結 論

全米規模での新たな報告制度である HQA のデータを解析した結果,病院の実績は,病院および各指標のあいだで変動がみられることが示された.このような変動や,病院の特徴による差異の小ささを考慮に入れると,実績に関する報告は広範囲の病院を対象とし,多数の疾患を含める必要があると考えられる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 353 : 265 - 74. )