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September 1, 2005 Vol. 353 No. 9

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胎便吸引症候群予防のための羊水注入
Amnioinfusion for the Prevention of the Meconium Aspiration Syndrome

W.D. Fraser and Others

背景

胎便による強い羊水混濁を示す女性に羊水注入(羊膜腔への生理食塩水注入)を行うことで,周産期死亡,中等度から重度の胎便吸引症候群,またはその両方のリスクが減少するかどうかは明らかにされていない.

方 法

分娩時に強い羊水混濁が認められた妊娠 36 週以降の女性 1,998 例を対象に多施設共同試験を行い,胎児心拍の変動一過性徐脈の有無に従って層別し,その後羊水注入と標準治療のいずれかに無作為に割付けた.複合主要転帰指標は,周産期死亡,中等度から重度の胎便吸引症候群,またはその両方とした.

結 果

周産期死亡,中等度から重度の胎便吸引症候群,またはその両方が,羊水注入群女性の乳児 44 例(4.5%)と対照群女性の乳児 35 例(3.5%)で認められた(相対リスク 1.26,95%信頼区間 0.82~1.95).周産期死亡は,羊水注入群で 5 例,対照群で 5 例であった.帝王切開率は,羊水注入群で 31.8%,対照群で 29.0%であった(相対リスク 1.10,95%信頼区間 0.96~1.25).

結 論

分娩時に胎便による強い羊水混濁を示す女性では,羊水注入を行っても,中等度から重度の胎便吸引症候群,周産期死亡,その他母体や新生児における重大な障害のリスクはいずれも減少しなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 353 : 909 - 17. )