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March 9, 2006 Vol. 354 No. 10

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中絶数・出産数の変化とテキサス州親通知法
Changes in Abortions and Births and the Texas Parental Notification Law

T. Joyce, R. Kaestner, and S. Colman

背景

2000 年 1 月 1 日,テキサス州は,未成年者が中絶を求めた場合,医師は中絶処置の 48 時間以上前に親に通知することを義務付ける法律を施行した.

方 法

テキサス州において,親通知法(Parental Notification Law)施行前(1998~99 年)と施行後(2000~02 年)の中絶率と出産率(年齢別集団 1,000 人当りの件数)の変化を評価した.受胎時に 15~17 歳(親通知法の適用対象者)であった未成年者の中絶率と出産率の変化を,受胎時に 18 歳(親通知法の適用対象外)であった 10 代の中絶率と出産率の変化と比較することで評価した.

結 果

法律の施行後に中絶率は,18 歳代と比較して,15 歳代で 11%(率比 0.89,95%信頼区間 0.83~0.94),16 歳代で 20%(率比 0.80,95%信頼区間 0.76~0.85),17 歳代で 16%(率比 0.84,95%信頼区間 0.80~0.87)低下した.受胎時に 17.50~17.74 歳であった未成年者のサブグループ(妊娠初期に親通知法の適用対象者であったと考えられる)では,出産率が,受胎時に 18.00~18.24 歳であった 10 代と比較して 4%上昇した(率比 1.04,95%信頼区間 1.00~1.08).受胎時に 17.50~17.74 歳であった未成年者の妊娠 12 週以後の中絶処置に関する調整オッズ比は,18 歳代との比較で 1.34(95%信頼区間 1.10~1.62)であった.

結 論

テキサス州親通知法は,受胎時に 15~17 歳であった未成年者の中絶率の低下に関連していた.また,受胎時に 17.50~17.74 歳であった未成年者のサブグループの,出産率と妊娠第 2 期での中絶率の上昇にも関連していた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 354 : 1031 - 8. )