April 27, 2006 Vol. 354 No. 17
ビタミン C・ビタミン E と妊娠高血圧腎症および周産期合併症のリスク
Vitamins C and E and the Risks of Preeclampsia and Perinatal Complications
A.R. Rumbold and Others
抗酸化ビタミンの補給は,妊娠高血圧腎症と周産期合併症のリスクを軽減すると提唱されてきたが,この介入の効果は不明である.
妊娠 14~22 週の未産婦を対象に,多施設共同無作為化試験を行った.被験者を,ビタミン C 1,000 mg・ビタミン E 400 IU またはプラセボ(微結晶セルロース)を,分娩まで毎日補給する群に割付けた.主要転帰は,母体の妊娠高血圧腎症のリスク,新生児の死亡または重篤な転帰(オーストラリア・ニュージーランド新生児医療ネットワークの定義に基づく)のリスク,および在胎期間に対して出生時体重が 10 パーセンタイル未満の新生児を出産するリスクとした.
試験に登録された 1,877 例のうち,935 例をビタミン群,942 例をプラセボ群に無作為に割付けた.両群のベースライン特性は同等であった.ビタミン群とプラセボ群のあいだで,妊娠高血圧腎症のリスク(それぞれ 6.0% 対 5.0%,相対リスク 1.20,95%信頼区間 0.82~1.75),新生児の死亡または重篤な転帰のリスク(9.5% 対 12.1%,相対リスク 0.79,95%信頼区間 0.61~1.02),在胎期間に対して出生時体重が 10 パーセンタイル未満の新生児を出産するリスク(8.7% 対 9.9%,相対リスク 0.87,95%信頼区間 0.66~1.16)に有意差はみられなかった.
妊娠中のビタミン C・ビタミン E の補給は,未産婦の妊娠高血圧腎症のリスク,子宮内胎児発育遅延のリスク,および新生児の死亡または他の重篤な転帰のリスクを軽減しなかった.(Controlledtrials.com 番号:ISRCTN00416244)