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June 15, 2006 Vol. 354 No. 24

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イマチニブ抵抗性の慢性骨髄性白血病とフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病に対するニロチニブ
Nilotinib in Imatinib-Resistant CML and Philadelphia Chromosome–Positive ALL

H. Kantarjian and Others

背景

慢性骨髄性白血病(CML)では,メシル酸イマチニブに対する抵抗性が生じることがある.前臨床研究では,in vitro で,新規 BCR-ABL チロシンキナーゼ阻害薬であるニロチニブ(nilotinib)(AMN107)に,CML 細胞に対してイマチニブよりも 20~50 倍の効力があることが示されている.

方 法

第 1 相用量漸増研究において,イマチニブ抵抗性の CML 患者と急性リンパ性白血病(ALL)患者 119 例を対象に,ニロチニブを 50 mg,100 mg,200 mg,400 mg,600 mg,800 mg,1,200 mg の用量で 1 日 1 回経口投与する群と,400 mg,600 mg の用量で 1 日 2 回経口投与する群に割付けた.

結 果

有害事象として多くみられたのは,骨髄抑制,一過性の間接型高ビリルビン血症,発疹であった.急性転化期患者 33 例では,13 例に血液学的効果,9 例に細胞遺伝学的効果がみられた.増悪期患者 46 例では,33 例に血液学的効果,22 例に細胞遺伝学的効果がみられた.慢性期患者 12 例では,11 例で血液学的完全寛解が得られた.

結 論

ニロチニブは,安全性プロファイルが比較的良好であり,イマチニブ抵抗性 CML に対して有効である.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00109707)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 354 : 2542 - 51. )