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January 26, 2006 Vol. 354 No. 4

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喫煙に関連した肺癌リスクの民族・人種差
Ethnic and Racial Differences in the Smoking-Related Risk of Lung Cancer

C.A. Haiman and Others

背景

米国における肺癌の発生率は,民族や人種によって著しく異なる.

方 法

多民族コホート研究(Multiethnic Cohort Study)で,アフリカ系アメリカ人,日系アメリカ人,ラテン系アメリカ人,ハワイ先住民,および白人の男女 183,813 人を対象に,喫煙に関連した肺癌リスクの差を検討した.ベースライン(1993~96 年)から 2001 年の 8 年間に前向きに同定された肺癌,1,979 例を対象に解析した.

結 果

民族・人種間の肺癌リスクは,1 日当りの喫煙本数によって異なった.喫煙本数が 1 日 30 本以下の被験者では,肺癌リスクはアフリカ系アメリカ人とハワイ先住民で,他の群よりも有意に高かった.喫煙本数が 1 日 10 本以下の被験者と 11~20 本の被験者では,アフリカ系アメリカ人と比較した相対リスクは,日系アメリカ人とラテン系アメリカ人で 0.21~0.39(P<0.001),白人で 0.45~0.57(P<0.001)であった.しかし,喫煙本数が 1 日 30 本を超える場合,これらの差は有意ではなかった.喫煙に関連したリスクの差は男女ともにみられ,また,肺癌のすべての組織型で認められた.

結 論

喫煙者のうち,アフリカ系アメリカ人とハワイ先住民は,白人,日系アメリカ人,ラテン系アメリカ人よりも肺癌に対する感受性が高い.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 354 : 333 - 42. )