November 2, 2006 Vol. 355 No. 18
営利 HMO における Pay for Performance
Pay for Performance in Commercial HMOs
M.B. Rosenthal and Others
「実績に対する支払い(pay for performance)」は,強い関心を集め,活発な議論の対象となっている問題であるが,メディケア・メディケイドサービスセンター(Centers for Medicare and Medicaid Services)がこの制度をメディケアへ導入しようとする動きがすすむにつれて,その関心と議論はますます高まっている.制度の効果についてはさまざまな主張がなされているが,この制度が全米でどの程度浸透しているかは依然として不明である.
米国内 41 の大都市圏から,252 の健康維持機構(HMO)をサンプルとして抽出し,pay for performance の採用に関する調査を行った(回答率 96%).pay for performance プログラムの普及率を算出し,このようなプログラムの特徴を詳述した.また,pay for performance の導入を,これらの保険プランと市場の両方の特徴に相関する要素として検討した.
半数以上の HMO(加入者の 80%以上に相当)が,医療提供者との契約に pay for performance を採用していた.pay for performance プログラムを導入している 126 の保険プランのうち,およそ 90%が医師を対象としたプログラムを採用し,38%が病院を対象としたプログラムを採用していた.pay for performance の採用は,地域,ゲートキーパーとしての主治医(PCP)を定めていること,PCP への支払いを均一割当て額にしていること,そして,実績に応じてこれらの保険プラン自体がボーナスまたはペナルティを受けるかどうかといったことと,統計学的に関連していた.
現在 pay for performance は,HMO の中でもとくに,特定の患者に対する責任を PCP や医療機関に課すようにしている HMO が一般的に採用している.メディケアに pay for performance を導入する計画がすすむにつれて,市場における初期の pay for performance の経験を活かすことが重要になると考えられる.