The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

July 27, 2006 Vol. 355 No. 4

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

人工換気を受けている早期産児における一酸化窒素吸入療法
Inhaled Nitric Oxide in Preterm Infants Undergoing Mechanical Ventilation

R.A. Ballard and Others

背景

未熟児の気管支肺異形成症は,入院期間の長期化や,肺および神経発達上の異常な転帰と関連している.動物モデルでは,一酸化窒素吸入によりガス交換および肺構造の発達の両方が改善するが,気管支肺異形成症のリスクのある乳児にこの治療法を実施することに関しては,見解が分かれている.

方 法

21 施設で,生後 7~21 日に換気補助を必要とした出生時体重 1,250 g 以下の乳児を対象とし,一酸化窒素吸入の無作為化層別化二重盲検プラセボ対照試験を実施した.治療群の乳児には,一酸化窒素の吸入を 20 ppm で開始し,徐々に濃度を下げながら 24 日間以上行った.主要転帰は,最終月経後 36 週の時点における気管支肺異形成症を認めない生存とした.

結 果

一酸化窒素吸入群の乳児 294 例とプラセボ群の乳児 288 例で,出生時体重(それぞれ 766 g,759 g),在胎期間(両群とも 26 週),その他の特徴は同様であった.最終月経後 36 週の時点で気管支肺異形成症を認めない生存率は,一酸化窒素吸入群で 43.9%,プラセボ群で 36.8%であった(P=0.042).一酸化窒素吸入を行った乳児は,より早く退院し(P=0.04),酸素補給療法を受けた期間がより短かった(P=0.006).短期間の安全に関する問題は認められなかった.

結 論

一酸化窒素吸入療法は,気管支肺異形成症のリスクのある未熟児で生後 7~21 日に開始した場合,肺に関する転帰を改善する.また,短期間の明白な有害作用は認められない.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00000548)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 343 - 53. )