The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

August 24, 2006 Vol. 355 No. 8

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

50~71 歳の大規模前向きコホートにおける過体重,肥満と死亡率
Overweight, Obesity, and Mortality in a Large Prospective Cohort of Persons 50 to 71 Years Old

K.F. Adams and Others

背景

肥満は,体格指数(BMI)(体重 [kg] を身長 [m] の二乗で除した値)が 30 以上と定義され,死亡リスクの上昇と関連しているが,過体重(BMI 25.0~29.9)と死亡リスクとの関連には疑問がもたれている.

方 法

米国国立衛生研究所の AARP コホートにおいて,1995~96 年に登録された年齢 50~71 歳の米国人男女 527,265 例を対象に,BMI と全死因死亡リスクとの関連を前向きに検討した.BMI は自己申告による体重と身長から算出した.相対リスクと 95%信頼区間は,年齢,人種または民族,教育水準,喫煙状況,身体活動,アルコール摂取量で補正した.また,既存の慢性疾患および喫煙状況に関連する潜在的バイアスに対処するため,補助分析を実施した.

結 果

2005 年までの最長 10 年の追跡期間中に,61,317 例(男性 42,173 例,女性 19,144 例)が死亡した.初期解析では,すべての人種・民族,およびすべての年齢において,男女ともに,BMI の最高群と最低群で死亡リスクが高いことが示された.喫煙歴のない健常人に限定した分析では,死亡リスクは,男女ともに過体重および肥満の両方と関連していた.喫煙歴のない人で中年期(50 歳代)の BMI について分析したところ,この関連はより強くなり,死亡リスクは,過体重者では 20~40%増加し,肥満者では少なくとも 2~3 倍増加していた.一方,低体重者では死亡リスクの上昇程度が小さくなった.

結 論

過体重を含む中年期の過剰な体重は,死亡リスクの増加と関連している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 763 - 78. )