January 4, 2007 Vol. 356 No. 1
非小細胞肺癌における 5 つの遺伝子サインと臨床転帰
A Five-Gene Signature and Clinical Outcome in Non–Small-Cell Lung Cancer
H.-Y. Chen and Others
非小細胞肺癌(NSCLC)の現在の病期分類法は,治療転帰を予測するには不十分である.NSCLC 患者の生存に密接に関連している 5 つの遺伝子サインを開発した.
コンピュータで発生させた乱数を用いて,凍結試料 185 個を,マイクロアレイによる分析,リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法(RT-PCR)による分析,あるいはその両方に割り付けた.NSCLC の外科的切除を受けた患者で,無作為抽出された 125 例の肺癌組織の凍結試料について,遺伝子発現を調べ,遺伝子の発現レベルと生存との関連を評価した.リスクスコアと決定木分析を用いて,NSCLC の治療転帰の予測を目的とした遺伝子発現モデルを開発した.妥当性検証のために,残りの患者 60 例の無作為化標本を使用した.
マイクロアレイのデータとリスクスコアの分析から,NSCLC 患者の生存と関連する 16 の遺伝子を同定した.5 つの遺伝子(DUSP6,MMD,STAT1,ERBB3,LCK)を選択し,RT-PCR と決定木分析を行った.5 つの遺伝子サインは,無再発生存と全生存の独立した予測因子であった.NSCLC 患者 60 例から成る独立したコホートのデータと,すでに発表されている NSCLC 患者 86 例のマイクロアレイの一連のデータから,モデルの妥当性が確認された.
この研究の 5 つの遺伝子サインは,NSCLC 患者の無再発生存および全生存に密接に関連している.