April 26, 2007 Vol. 356 No. 17
医師と産業界の関係に関する全米調査
A National Survey of Physician-Industry Relationships
E.G. Campbell and Others
医師と製薬業界・医療機器業界・その他の医療関連業界との関係は,近年,大きな注目を集めている.医師と産業界の経済的関係,およびそのような関係を予測する因子について情報を収集するために,医師を対象とした調査を行った.
2003 年後期~04 年前期のあいだに,6 つの専門領域(麻酔科,循環器科,家庭医療,一般外科,内科,小児科)の医師 3,167 人を対象に全米調査を行った.この確率標本における粗回答率は 52%であり,重み付けをした回答率は 58%であった.
大半の医師(94%)は製薬業界とのなんらかの関係を報告した.そうした関係の大部分は,職場での飲食物の受け取り(83%)や薬剤サンプルの受け取り(78%)であった.回答者の 1/3 以上(35%)は学会や医学生涯教育に関連した出費の償還を受けており,1/4 以上(28%)は顧問料,講演料,治験への患者登録料を受け取っていた.循環器科医は,支払いを受ける確率が家庭医の 2 倍以上であった.家庭医は,ほかの専門科医よりも業界の担当者と会う頻度が高かった.また,単独,2 人,またはグループで診療を行う医師は,病院やクリニックで診療を行う医師よりも業界の担当者と会う頻度が高かった.
この全米調査の結果は,医師と産業界の関係は一般的なものであることを示唆しており,専門領域,診療形態,専門的活動によってそのような関係に差があることを裏付けている.