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May 10, 2007 Vol. 356 No. 19

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肛門生殖器疾患予防のためのヒトパピローマウイルスに対する 4 価ワクチン
Quadrivalent Vaccine against Human Papillomavirus to Prevent Anogenital Diseases

S.M. Garland and Others

背景

ヒトパピローマウイルス(HPV)6 型,11 型,16 型,18 型に関連する肛門生殖器疾患の予防における 4 価ワクチンの有効性を評価するため,第 3 相試験を行った.

方 法

16~24 歳の女性 5,455 例を対象としたこの無作為化二重盲検プラセボ対照試験では,2,723 例をワクチン接種群,2,732 例をプラセボ群に割り付けた.接種は,1 日目,2 ヵ月目,6 ヵ月目に行った.主要複合エンドポイントは,陰部疣贅,外陰部または腟上皮内腫瘍,癌の発症率と,子宮頸部上皮内腫瘍,上皮内腺癌,HPV 6 型,11 型,16 型,18 型に関連する癌の発症率とした.プロトコールに基づき,3 回目の接種から 1 ヵ月のあいだに,HPV 6 型,11 型,16 型,18 型のウイルス学的所見を認めなかった女性から成る感受性集団について,主要解析のデータを収集した.

結 果

初回接種後,平均 3 年間女性を追跡した.プロトコールに基づく集団のうち,外陰部,腟,肛門周囲の疾患について追跡した被験者には,ワクチン群の 2,261 例(83%)とプラセボ群の 2,279 例(83%)が含まれた.子宮頸部疾患について追跡した被験者には,ワクチン群の 2,241 例(82%)とプラセボ群の 2,258 例(83%)が含まれた.それぞれの主要エンドポイントについて,ワクチンの有効性は 100%であった.ワクチン型および非ワクチン型の HPV による感染または疾患の既往がある患者を対象とした intention-to-treat 解析では,ワクチン接種により,原因となる HPV の型にかかわらず,すべての外陰部または腟・肛門周囲病変の発症率が 34%低下し(95%信頼区間 [CI] 15~49),子宮頸部病変の発症率が 20%低下した(95% CI 8~31).

結 論

4 価ワクチンにより,若年女性において,HPV に関連する肛門生殖器疾患の発症率が著明に低下した.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00092521)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 1928 - 43. )