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May 10, 2007 Vol. 356 No. 19

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オランダにおける安楽死法下の終末期医療
End-of-Life Practices in the Netherlands under the Euthanasia Act

A. van der Heide and Others

背景

2002 年,耐えがたい苦痛を有する患者の要請で,医師による終末期介入の規制に関する法令がオランダで発効した.2005 年に,安楽死,医師による自殺幇助,およびその他の終末期医療に関する追跡調査を実施した.

方 法

死亡診断書で同定した死亡 6,860 件に立ち会った医師に質問票を郵送した.回答率は 77.8%であった.

結 果

2005 年のオランダにおける全死亡のうち,1.7%は安楽死によるものであり,0.1%は医師による自殺幇助によるものであった.これらの割合は,2001 年と比較して有意に低かった(2001 年の安楽死による死亡は全死亡の 2.6%,医師による自殺幇助による死亡は 0.2%).全死亡の 0.4%は,患者の明確な要請のない状態で死に介入したことによるものであった.持続的な深いセデーションは,2005 年の全死亡の 7.1%で,死期を早める可能性のある方法と併用して用いられた(2001 年の 5.6%から有意に増加).2005 年における安楽死または医師による自殺幇助の全症例のうち,73.9%は神経筋弛緩薬やバルビツール酸の使用により死を迎えた.オピオイドが使用されたのは症例の 16.2%であった.また,2005 年には,安楽死または医師による自殺幇助の全症例のうち,80.2%が報告された.医師が終末期医療を報告する可能性は,自身がそうした行為を安楽死や自殺幇助と見なした場合にもっとも高かった.ただし,オピオイドが使用された場合に医師がそのように見なすことはほとんどなかった.

結 論

オランダ安楽死法の施行により,安楽死や医師による自殺幇助の割合が若干減少した.こうした減少は,緩和的鎮静のような他の終末期医療の適用が増加したことによる可能性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 1957 - 65. )